英語の感覚。

2003年8月17日
 言葉が切り取ってくる「意味」は言語によって異なる。

 たとえば、"water"は、H2Oという物質のうち液体相にあるものを言うから、"hot water"というのはごく普通の言い方であるのに対し、「水」はそのうち冷たいものを言うので、「熱い水」というのは(意味が通じないわけではないけれど)ヘンな日本語になってしまう。「水」≠"water"なのだ。

 こういうことの積み上げが、英語の感覚なのだと思う。特に、日本語にない言い分けが難しい。マーク・ピーターセン氏の本でも繰り返し言われているが、日本人は不定冠詞と定冠詞の使い分けが下手であるのは、日本語にそれに類するものがなく、それを使った表現もないからだ。もう一つ、時制、特に完了時制がないので、そのあたりも弱点だろう。

 こんなことを思うと、外国語の習得は絶望的な気もするのだが、これは逆もまた真なりで、日本語にも英語を母国語にする人にとって苦手な概念があるのだ。たとえば、助数詞(1本、1匹、1冊のような、ものを数えるときに使う言葉)なんかがそうらしい。

 そう考えると日本語をそれなりに操ることの出来る自分も英語コンプレックスを持つ必要はそんなにあるわけではないと思うのだが、現実にはなかなかそうもいかないのだ。

 とまあ、久しぶりに英語に関する本を読んだので、こんな事を書いてみた。

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