ヒトラーの時代。

2003年5月27日
 今読んでいるのは「ドイツ史10講」という本で、今読んでいるのが第9講。ヒトラーが首相になってから第二次世界大戦でドイツが無条件降伏するところまでが書かれた部分だ。

 この本は最初がローマ帝国の北進とゲルマン民族の戦いで始まって、神聖ローマ帝国、宗教改革、ドイツ帝国という具合に順々に記述が進むのだが、ドイツ史の中でヒトラーの時代が特異な時代であったというのはよくわかる(たとえば、ドイツが中央集権国家になったのはヒトラーの時代が最初だ)。

 このドイツ史における希有な時代は陰惨な形で終わる。この悪夢の発生原因が、ヒトラーの台頭を許したこと、およびヒトラーの最後の数年間における凄惨な殺戮を止められなかったことであり、前者の理由の一つが第一次世界大戦で敗戦国ドイツに過酷な賠償を課したことで、後者の理由の一つが政治的に戦争を終結させられなかったことだとするなら、この教訓を連合国(特に米国)が学んだことによって日本は得をして損をしたということになるだろう。得をしたのは、第二次世界大戦の後で苛烈な賠償を要求されなかったことで、損は戦争の早期終結のために原子爆弾が投下されたことである。

 「近現代史はおもしろい」というのはなかなかピンとこなかったのだが、この本を読んでそのおもしろさが朧気に見えるような感じがする。感じがするだけで、見えていないんだろうけれど(笑)

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

日記内を検索