映像化

2002年12月6日
小説を映画化した場合、「え〜?」という感想が出てくる場合と「お〜」という感想が出てくる場合がある。

小説は、視覚的要素にアピールする部分が大変少ない表現形式だから(せいぜい挿し絵ぐらいのもんだ)、視覚的要素の部分は読者がこれを補うわけである。つまり、100人の読者がいれば100通りのビジュアライズがあるわけだ。

小説の映画化は、制作者のビジュアライズを元にして行われる(当然、制作者の思うとおりには---種々の制約があって---できない)。これは、読者のそれと一致するわけではない。その乖離の具合が「え〜?」という感想を引き起こすわけである。

しかし、いかに乖離が大きくとも、映像に説得力があれば「ほ〜」というものになる。そこが映画制作の腕の見せ所というわけだ。見る側も、「この人はこの小説をどういうふうに理解したんだろう」という気持ちで見に行くのが丁度良いのではないかと思う。

個人的に、この映像化は見事だなぁと思ったのは「オズの魔法使い」。近年だと「指輪物語」は「よく頑張った」と思うけれど、なんとなく「映画に作りやすくしました」という感じがするのがちょっと、である(あ、ラルフ・バクシ版ではなく、ピーター・ジャクソン版です、もちろん)。

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